12月9日の日記

2004年12月9日 読書
沖原朋美『待つ宵草がほころぶと』集英社コバルト文庫

コバルトらしいコバルトとして応援したい作家の
新作が出てるのに気づかずいて今頃やっと読む.
期待通り,なかなか読み応えのある作品.
全体の構成よりも,細部の描写に魅力を発揮する
そういう作風なんだなぁと再確認.

著者があとがきで『ただの中学生日記』なんて
書いてしまっていて,をゐをゐっって思ったけど
この作者の好いところはちゃんとでている気がする.
ちょっと,ひりひりと感じるの主人公の心の動きの
描写は真実感と虚構感の際どいところを綱渡り.
ただ,思い出的に感じているのかもしれない,とも.
現実の中学生〜高校生世代に,現実感をともなって
読めるかどうかというと…よく判らない気がする.

なんとなく,編集さんに「観念に走りすぎ」とか
「身体とか現実的なものを描け」なんて言われて
それで入れたんじゃないか?なんて感じたところも
少々あったけれども…もう少し観念的に走って
自分の中でぐちゃぐちゃ考えてしまう主人公を
この著者が描いたら…面白いかもしれない.

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