剱岳縦走3 真砂〜阿曾原
夜中にテントをサワサワいわせる程度の
小雨が数回.3時頃から5時半位まで,
高校山岳部の連中が騒々しい.早立ちなら
1時間くらいで出発できないものか.

ハシゴ段乗越への昔の道跡が対岸に見え
崩落崖で分断されているのがわかる.
確かに直しようが無い.つけるなら
相当上からワイヤーを張って桟道かけるか.

剱沢左岸を下りる部分,平和に通るが水位の跡をみると
増水時は相当に剣呑な場所になるのがわかる.
二股の仮説の木橋(直径十数cmの丸太8本くらいを括って
橋の渡る部分を作っている)を渡ってほどなく仙人新道.

急登を続けてしばらく行ったところで,1パーティを追越す.
ひとりだけ皆を後に,わたしの後ろについてくる???
しばらく経ったら居なくなった.さらに急坂を登っていくと
一人倒れて,携帯が圏外なので伝令が走ったというので
見通し圏内に聞いている人が居る可能性希薄と思いつつも
アマチュア無線で呼び出しを試みるが,駄目.そうこうする内
先に抜いたパーティが休憩している人を抜くように抜いていく.

上の方で再度試しますと進んでまもなく,先の謎パーティを抜く.
樹林帯から出て明るくなったあたりでヘリの音が聞こえ,まもなく
赤いヘリが,こちらの高さあたりで周回しだしたので
遭難現場方向を腕で指し示して立ってると乗員と顔があったので
もっと下という仕草と方向を指す仕草をする.
程なく,現場方向に向かって姿が消え,旋回している音が続く.
少し登ると,上から空身で降りてくる人,伝令した人で
ヘリが向かった様子を話してわかれる.

ちょっと上がったら仙人峠,高山植物が生き生きしているのに
惚けっとしながら仙人池ヒュッテ.収容されたことを確認して
一休みしてから池を少し見て,阿曾原への道の状況を尋ねる.
とても丁寧に教えてくれたけれども,記憶力貧困なわたしには….
「最初の谷は横断,2つ目長いハシゴで降りた谷の左岸を行き
 行けなくなったら右岸,ふたたび行けなくなったら左岸」と
目一杯簡略化して出発する.この右岸側がかなり野性的.
でも,目印か明快なので渡る部分は不安なく進んで仙人湯小屋.

この先は,必ずここで尋ねるようにと言われていたので尋ねる.
「最初の雪渓は横断,二つ目の雪渓を降り,崩落部の先で
 左手に赤いザイルが垂れているから,登る」ということで
こちらの主人の話は,覚えやすく短い….しかしながら
続く注意事項が…「わからなくて引き返してくる人が居る」
「甚だしいのは数回往復したあげく,案内してくれ,と言われた」
「15時過ぎると駄目だから…10m先も見えない濃いガスが出る
 ガスのために引き返して来た人も居る」などなど大変そう.

件の雪渓に出ると,これがかなり大きいのだけれども中ほどに
雨で流されてきたのか土砂の堆積物がうず高く堆積している.
最初は対岸かと思うほど.この堆積の手前を降りてみるが駄目.
戻って堆積物の向こうを大回りして降りていくと左岸の崩落部は
まだまだ続いているので,ずんずん降りていくと…たまに目印.
いいのかな?と思う頃赤いザイルが見えて,一安心.
かなり荒れたというか新しいというか,な道を進んでいくと
途中からよく踏まれた道になる…古くからの道に合したらしい.

直前に草刈りされた様子で発酵前の草の匂い.ちょっと
美味しそうな実がある.(写真)確かめていないので
味見するのは避けたけれどサンカヨウみたい.
草刈りついでに収穫したのかな??

古くからの道に合してからも長い.2回ほどロープで
入口を塞いだ道が合流したが,雪渓の崩落部手前から
大高巻きして辿るとそこに出るのだそうだ.
のたのたと阿曾原に向かっていく.あと30分という
道標を過ぎてまもなく,スパイク足袋にサブザックで
登ってくる人がいる.無線機も下げているので
「遭対協の方ですか?」と尋ねるとそうだといい
仙人新道の単独の人(わたし)と遭難者のパーティ3人との
到着が遅いので様子をみに,とのこと.別れてすぐ後
わたしとすれ違ったことを無線報告していた.
30分くらいかで阿曾原温泉についてテントを張ったり
なんのかのしながらスパイク足袋のことを尋ねるのに
先に会った人のことを言ったら,すでに雪渓で3人と
合流して降りてくると連絡あったそうで「速いーっ」と
感嘆すると,そうでしょう小屋自慢の健脚とか.

スパイク足袋が歩きやすそうだと思って尋ねると
実際そうだから使っているそうで,さらに防水タイプだと
雪渓の上でもいいので非常にぐあいがいいとのこと.
売ってる場所尋ねると,あちらだとホームセンターで売ってるし
林業系の共同購入みたいなこともしているそうで.
「丸五」が有名とかで帰宅して検索したら見つかった.

さて,阿曾原といえば露天風呂,着いて早速と思ったら
一時間毎の男女時間割の男時間の中ほどというので
その後の時間まで1時間半待ち.その間にビール販売機が
どの時間使えるかなど尋ねて,時間表を再度見ていたら
「夜8時半過ぎたら,皆オッケー,混浴ぅ〜」などと
アルバイト?のお姉さんが笑いながら言う.

男時間一時間目一杯,浸かったりスノコに座ったり
景色を眺めながら満喫してのち,ビールを堪能して
飯も喰ってから,空いてたらまた入ろうと行ったら
誰も居ないのでノンビリと浸かる.ヘッドライトを
横に置いて灯していたけれども,星が奇麗なんで消し
しばらく空を見ていたら流れ星を2回観られた.
目が慣れると星明りで周囲も見えるし雰囲気最高.
灯りをつけていたら気づかないだろう光景.

(2005年7月30日)

◇追記
元は仙人谷の左岸中腹,上記した時点では一部仙人谷に降りた道は廃道で
2007年に開通した,仙人温泉小屋~阿曾原は『雲切新道』経由となってます.
わたしはまだ歩いてませんが,行程は伸びたものの道はしっかりしているようです.

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