3月10日の日記

2006年3月10日 読書
友桐夏『リリカル・ミステリー 盤上の四重奏―ガールズレビュー』集英社コバルト文庫

友桐夏作品の恒例の再読.再読の楽しさも健在.
初読感想読み返すとなんか不満げにも読めるけど…
http://diarynote.jp/d/14742/20060302.html
基本的には,もの凄く楽しんで読んでいます.
『古錆びた感じの』というのは,言葉遣いやら
いろいろな形容とか感じ方の表現の雰囲気が
少し前の少女小説ってこうじゃないかなという
古臭いかもしれないけれども,なんか好い感じ.

再読で,じっくり読んでいて思ったこととして
雑誌コバルト2005年2月号掲載の短編小説新人賞選評で
花村萬月さんがかなり厳しく指摘している『時間の整理』が
わたしにとっては,文章の面白さに繋がっているということ.
もちろん,具体的に指摘されている読点はその通りですが
その背景にある,いろいろな時間の間を意識が飛躍するのは
友桐夏さんの癖で,余りに押えると角を矯めて牛を殺す,かも.
まあ,場面転換の唐突さに混乱する読者もいるだろうけれど
いろいろな場面のことが重畳的に絡む様子の描写法として
これはこれとして魅力的な文体ではないかと思う.
もしかすると,意図してやらかしているのかもしれない.
110頁の『深哉の癖』と描いているあたり,著者本人が
友達などから言われていて,小説でも同じ,かもしれない,と.

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