後立山連峰縦走3
見事に寝坊して,遠見尾根か扇沢かさんざん迷う.
でも,この好天につまらない樹林の中をあるくのは
もったいなさ過ぎる,と五竜岳に向かう.越えたら
イロイロな種類のガレ場やザレ場を行くのだけれど
どうも,汚らしいというか嫌な荒れ方をしている.
不慣れな人が大勢通るからというのは穿ち過ぎ?
キレット小屋前のテーブルで昼飯を喰って歩き出す.
八峯キレットや岩壁の桟道などもあるけれども
キレット小屋の北側と較べて良く整備されている.
鹿島槍ヶ岳は気持の好い山だなと改めて思う.
北峰に登っている途中で上から降りてきた遭対の人に
「冷池に泊まりますか?」と尋ねられたので
いや,その先,種池でテント張るかもしれないけれど
扇沢まで行けたら行ってしまうつもりだというと
テントで装備もあって,自分でちゃんとできますね
気をつけて,みたいなことを言われる.(うろ覚え)
北峰に『踏跡に注意』という珍しいと思われる標識がある.

冷池に近づくと,高山植物がいろいろあり美しい.
賑わう冷池のテント場で,4×5カメラで夕陽を撮ろうと
仕度している人がいた.小屋で水を買って出かけようとすると
受付の女の子に止められ,支配人が出てきて,夜に歩くのは
困るのだと執拗にいう.具体的な理由らしいものは出てこない.
押し問答の末,種池小屋通過時に声をかける約束をさせられ
この不毛なやりとりで肝腎の落陽を見損ねてしまった.
残照の中,爺ヶ岳に向かう.ときどき立止りライトを消して
星と月を眺める.薄く見える山並みとあいまって素敵だった.
!!夜道歩きには習練が必要.真似でやらないように!!

種池山荘に着いたら消灯時間を過ぎていたので紙片に
必要なことを書いて入口にでも挟もうと近づいたら
前のテーブルに坐っていた2人が声を掛けて来て
小屋の方かと尋ねたら,遭対の方だそうで,訳を言い
伝言を依頼しようとしたら…冷池の支配人から届けられ
待っていた由.行こうという人を止めたりしません.
装備もちゃんとしているようだし気をつけて,と言われる.
どうも…入山届けなどまで調べたんじゃなかろうか….
猿とか熊もときどき出る…なんて話もでたけれども
こちらが無反応だったら尻切れに終わってしまった.
別段,猿なら狩ってやる,熊なら逢ってみたいという
不埒な心を見透かされたわけではない,と思う.

待っていただいた遭対の方には遺憾なことと思うものの
冷池小屋支配人の言動には疑念を抱かざるを得ない.
そのうち,小屋の経営者や大町の遭対あたりと意見交換を
してみなくてはならないと思う.

さて,柏原新道はだだっ広くて面白みのない道である.
しかし,安全に短時間で辿り着ける点,素晴らしい道である.
たまにガマガエルが飛び出して楽しませてくれる他は
早々に張られたクモの巣がときおりあってうるさいとか
ライトに向かって蛾が寄ってくるという里山風味の中で
ひたすら下りていくと国道に出て,バスターミナルまで歩いて
行動終了.数分だけど日付を跨いでしまったのは,とほほ.

仮眠して,一番のバスで大町温泉郷に寄って大急ぎで入浴して
二番のバスで帰京の途についた.大町温泉郷の立ち寄り湯の
薬師の湯は,8時までは100円安い早朝割引500円だったけれど
湯桶がみな,皮脂汚れで黒ずんでいたのには呆れた.それから
露天風呂の一方がとくに塩素臭ぷんぷんで浸かってすぐ出た.
少し調べて,もう少し良い立寄り湯を探した方がいいかも.

後立山連峰では,不帰嶮よりも,五竜岳〜キレット小屋の部分が
一番要注意なのではないかという印象だった.

夜間の山歩きは,高尾山のような易しいとこから始めて
長い時間をかけ,足裏の感触で登山道を感じ取る事ほか
イロイロな感覚を鍛えるのと,薮やら道のない山やらで
道迷いから復帰する技量を磨いたりしてないと危険です.
くれぐれも雰囲気に対する憧れだけで真似されぬように.

コメント

nophoto
百迷山
2006年8月15日1:23

この記録はおおいに参考になりました。
ありがとうございます。

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