5月22日の日記

2008年5月22日 読書
有川浩『塩の街』文庫本と単行本の違い

3月に三週間ほどの間に両方読んだこの作品.
どうも単行本あとがきにある相違点以外にも
ずいぶん印象が変わっている気がしたので
並べて目を通して違いの抽出をしてみた.

そうしたら細かい改変がたくさんあるので吃驚.
メモしたテキストファイルが30KB…冗長とはいえ….
改稿の方向性は書き言葉としての洗練かな?

目立ったのは読点『、』の削除で37箇所.
少しだけ追加された読点もあり,これは4箇所.
そして,ダッシュ『――』の削除が15箇所.

言い回しの変更は,大まかには大人びる方向か.
ただし,入江の台詞は剽軽さを増やす方向.

http://diarynote.jp/d/14742/20080307.html
http://diarynote.jp/d/14742/20080328.html

◇メモ
初読のときは直前の恋話にやられてしまって
記憶への残り方が少なかったみたいだけど
単行本の『debriefing 浅き夢みし』を読んだので
入江を気に入った気がしたけれども文庫本で読んだ
次の箇所が効いていたような気がする.















「秋庭が作戦を成功させるとしてもね、
彼は世界なんかを救ったんじゃない。
君が先に死ぬのを見たくないってだけの、
利己的な自分の感情を救ったんだ。そして、
その感情の先に繋がってる君を救う。
秋庭に無事でいて欲しいと願う君をね。
僕らが救われるのは、そのついでさ。
君たちの恋は君たちを救う。僕らは
君たちの恋に乗っかって余禄に与るだけさ」

文庫本P.273,単行本P.225

このあたりの入江の台詞が好いから,らしい.

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