1月25日の日記

2009年1月25日 読書
森田季節『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』MF文庫J

もの凄く惹きつけるところのある不思議物語.冒頭の
『ひとつ、イケニエビトを殺した人だけがそのことを覚えてる。』が
読み進むにつれて重くなっていって,どこにつれていかれるのか
不安になったり怖くなったりもするけれども…読後感好し.

何か,己にまつわる『存在』の不確かさなんてことを
思い出させるからかな.トーチ@灼眼のシャナに通じる.
トーマの心臓の冒頭も遠く繋がるかな.

◇メモ
P.12 三百人でいっぱいのライブハウス。でも、だからって楽しさのキャパまで
   小さくなってしまうわけじゃない。   …300なら小さくはないけどなぁ.
P.29 その日僕は烏子をギターケースに詰めた。  …無理さが怖さを薄れさせる?
P.47 「だから本当にどうしょうもなくなったら殺してほしいの」
P.58 「そっか、あのお願い、覚えててくれたんだね……」
P.116 「だから本当にどうしょうもなくなったら殺してほしいの」
P.177 別に神野君がシド・ヴィシャスになる必要はないんだし  …シド・ヴィシャス
P.186 壊滅的も何も僕は一人のクラスメイトの名前も覚えてなかった。
P.199 ――シールドというそうだ――を紛失したのだ
P.210 「僕はイケニエビトだったんだ」
P.241 とぼけてなんていない。ぼくたちはそんな人間を食べたことなんてない。
P.246 シールド盗んでしまって、ごめん。
P.249 でも、実祈はじっとイチョウから目をそらさない。おそるおそる目をやると、
    枝に紐のようなものがかかっていた。
    「何見てるの?」
    観念して問いかける。
    「神野君」
    私はペンギンの鳴き声みたいな変な声をあげた。
    でも、私の目にはそこに神野君を見ることなんて、もちろんできない。
    「もしかして、神野君の幽霊?」
    「ううん、死体」
    驚いた様子もなく、実祈は言った。それから「ああ、そういうことか」とつぶやいた。
    「何がそういうことなのよ」
    「 あの木に何かぶらさがってるよね。あれ、わたしの探してたシールド。
    神野君はあれで首を吊ったの」
    「ああ、そういうことか」と私も真似をした。
    神野君は自殺したんじゃなかった。実祈の持ち物に殺されたのだ。
    そのために神野君はシールドを盗んだ。実祈記憶を残すために。
    そして、その計画はまんまと成功した。
P.258 「シナモンの味がするんだもん」  
    …シナモンって味あったっけ?バニラは苦いが.
  ◇追記◇2012年8月17日
  スティックしか常備してなかったので試さなかったけど
  粉末を求めたので舐めてみたが香りばかりで味は…….

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索