3月6日の日記

2009年3月6日 読書
竹宮ゆゆこ『とらドラ 10!』電撃文庫

9巻で化けたあと凄まじいところで終わってるのを
おいたままでの『虎、肥ゆる秋』が出たりしていて
随分待たされ,待ち焦がれて読んだけれども
え?あ!なんてのを頻繁に感じながら読み進んで
解決していないのに解決になってしまうというか
すっと捻じって通してしまう絶妙の技をきかせて
不思議なほどに希望あふれる結末というか出発点.
そう,物語は完結だけど青春モノの結末は出発点.
心の中に色々な余韻が残る素敵な物語だった.

◇メモ
P.111 コンセントの二本の金具の隙間にも埃は溜まる。これが静電気の火花で
    発火し、火事の原因になると聞いたことがある。
    …トラッキング火災と呼ばれている現象だけど…静電気ではなく,湿気た埃に
     微弱な電流が流れ,熱で炭化し更に大電流が流れ発火する現象.
P.116 『風と木の詩』『高校教師』  …想定読者層は知らなかったりして.
P.154 竜児と大河の後頭部に同時にゴン!とドアをヒットさせてくださった。
    …内開きの玄関ドアということで,欧米では一般らしいが日本では希少かも.
P.159 園子・清児
P.162 天網恢恢疎にして漏らさず  …老子を呟く高校生ですか.
P.187  大河は一人、どこかを見る。
     尖った顎を上げ、目の前に広がる世界に真正面から挑むみたいに瞳は光る。
     その眼差しの果てに、なにを見ているのだろうか。どれだけ広大なものを
    見ているのだろう。大河の世界にはどんな星が光り、どんな季節が巡って、
    どんな風が吹くのだろう。知りたい、見てみたいと竜児は思った。同じところに
    立ちたかった。傍らに存在していたかった。
     別々に生まれた肉体で、どうやっても同じ一つにはなれない魂二つで、それでも
    できるだけ近くにいるためにはどうしたらいい?互いの世界を、どうやれば
    重ねあわせられる?
    …このあたりのせつなさ,高橋亮子『坂道のぼれ』を思い出してしまった.

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