4月4日の日記

2009年4月4日 読書
御影瑛路『空ろの箱と零(ゼロ)のマリア』電撃文庫

最初は地味だけど,途中から惹きがもの凄く強くなる.
途中で置けず読み続けてしまって空が白んでしまった.
こんなの随分久しぶりだなというくらい面白く読了.
ただ,酔う感じはなくてひんやり冴え冴えとした印象.

のっけから1回め,23回目,1050回目,13118回目と.
それで微細な差異に注意して読んでたつもりなのに
185頁で誤読していたのに気づいて,どこで?と思いつつ
修正路線で最後まで読み通してから,読み違えたとすれば
きっとあそこだろうとあたりをつけてみたら的中.

146頁の副題の前後の段落を繋げてしまっていたのだった.
なんとなく唐突な感じはしたものの,物語は繋がるので
ぼんやりした違和感を抱えながら読み進んで,そうすると
185頁には違和感なく,186頁に違和感を覚えることになる.
ま,時間モノで常に違和感感じながら読んでいたので
そこまで気づかなかったんだろうと思うけれども少しとほほ.
この誤読がなければ,もっと一本調子で走る物語がみえる.

◇追記(2009年4月5日)
いろいろと気になったので早々に読み返した.

『マリアの名の提示がどのように始まったか』
前者は書かれていないし,想像できる根拠もない.
単に知らされていたということになっている様子.

『一行の空行で,前後が隔絶される箇所の数』
こちらのほうは判断不能なところばかり.

読むときに『○○回目』によって情報が得られるものと
先入観を抱かせておいて,実際には僅かな回目以外では
たんに,多くの繰り返しを表現するだけのようだ.

そして,『酔う感じはなくてひんやり冴え冴えとした印象』という
読後感は,不信ではないが基本的に信用せずに読んだからで
面白かったけれども楽しんだのとはちょっと違うという気分が
直観的に浮かび上がらせたものだったとう気がする.
嫌いって訳じゃないけど,なんか好きになれないなという感じ.

そして,掬うようにして読んでも,情感成分は希薄な気がする.
0について情感欠落冷血に描写するのはありだろうけれども
他キャラに情感がもう少しあれば,大好きになったかもしれない.

◇追記(2009年4月9日)
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん7』を読んでたら思い出して
この物語が好きになれない理由が見えた気がした.わたしには
143頁の『それは人の道から外れている行為だからだ』という台詞…
似たのは他にもあった気がするけれども,これがイケナイんだな.
下手に倫理を語られると外道に感じられてしまうのだ.
普通な人は「自分は普通だ」と声高に言ったりしない….
西尾維新作品が楽しめるけど好きになれないのも,同じ類かな.

◇メモ
P.19 うまい棒でも食べよう。今日の味はブタキムチ。
P.146 確かにうまい棒は大好きなんだけれど、テリヤキバーガー味は実は
    そんなに好きじゃない。

P.149 「でもさ、テリヤキバーガー味はそこまで好きではないんだよね?」
    「……そうだね」
    「何味が好きなの?」
    「ええと……コーンポタージュ味かな」
    どうしてこんなことを聞くのか分からなくて、たどたどしく答える。
    「そっか。そっかそっか……」
    ウンウン頷いている。
    「あはは……失敗しちゃった」

P.187 「特にコーンポタージュ味が好きなんだけど、そんなの誰も知りたくもない
    だろうから、言ったことない。うまい棒は教室でもよく食べてるけど、種類に
    関しては浮気しまくりだから、いつも違う味を食べてるんだ。コーンポタージュ
    味が好きだなんて、誰も知らないはずだよ」

P.188 『でもさ、テリヤキバーガー味はそこまで好きではないんだよね?』
    『何味が好きなの?』

    僕は間違いであることを信じて、そのお菓子を見る。
    何回見ても、同じ。
    テリヤキバーガー味ではない、コーンポタージュ味のうまい棒。
    引き出された記憶が言っていた。バッグにうまい棒のコーンポタージュ味が
    入っていることは偶然だとしても、引き出された記憶の映像が、問答無用に
    言っていた。

P.297 そこまでは僕の予想通りだった。でもこれは、僕の好物のコーンポタージュ味
    じゃない。これはテリヤキバーガー味。僕がそんなに好きじゃない種類。そして――
     ――本来、茂木さんが僕に渡すはずだった、種類。

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