5月5日の日記

2009年5月5日 読書
静月遠火『パララバ―Parallel lovers』電撃文庫

引き込まれて読んだけれども気持が置いてきぼり.
ある意味,情感を生殺しにされ続ける物語かも.
ひんやり冷徹なミステリとかSFの登場人物とは異なり
ゆらゆら揺れる感情を持っていそうな登場人物.
ちりばめられた小ネタも可愛げなのがたくさんあって
それなのに,原因がこれだと…弄んでるんじゃね~,とも.
読ませる力のある文章なんで性質が悪いぞ,まったく.(笑)
いや,惹きつける小ネタをよく集めてあるからかもしれない.(爆)

もし,原因が人為的なものではないということで物語が作られ
相手を想う気持が描かれていたら,切なさに悶えられるような
美しい物語になっていたかもしれない,とも思った.

◇追記(2009年5月6日)
ミステリ大好きだけど,あまりミステリ書くのが上手じゃない作者.
そういうことだったのかな.なら,情性欠如はしょうがないか.
だけど,ミステリのつもりとは…ミステリとしてはあまりに退屈.
http://gameinfo.yahoo.co.jp/news/dol/138747.html

◇メモ
P.20 好き嫌いはあまりないけど、酢豚にパインを入れるのだけは許せないこと。
P.43 蝶の羽ばたきが台風を呼ぶ話
P.64 その校舎は上空から見ると隙間の緩んだ<日>の字に似ていた。南側に
   あるのが一号棟、北側が二号棟、そして東側がちっとも新しく見えない新館。
   一号棟と二号棟は二本の渡り廊下で繋がっていて、新館との間にも
   細い廊下がある。     …日の字の左右方向が南北かよっ!
P.76 ステンレスの流しがベコンと大きな音を立てて、わたしは焼きそばを
   取り落としそうになった。
P.88 一年生がタッパーにいっぱい大学イモを作ってきてくれた。一つ机の上に
   転がしてしまったんだけど、次の瞬間由利ちゃんが落ちたイモをひっつかみ
   タッパーにIN! 目にも止まらぬ速さで蓋を閉めシェイクしたかと思うと
   笑顔で差し出した。どれが落ちたイモかわかるよしもない。やっぱり、
   由利ちゃんは大物だ。
P.193 そのとき、ごぉぉ~~んと、寺の鐘の音が周囲に響いた。
    「うわっ、なんだ今の!」
    やがて聞こえ出すのはお経、最初は小さく、徐々に大きく。二重三重に重なる
    僧侶の低い声が校舎中に響き渡る。私は天井近くのスピーカーを見上げた。
    「これ? 放送委員会だよ。生徒は早く帰れ放送」
    答え終わるより早く、貞子もかくやと思われるおどろおどろしい声が
    スピーカーから流れだした。
    「閉門時間に……なりました。うっ…まだ……校舎内に……いる生徒
     ……かゆ…うま……」

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