箕崎准『えでぃっと!―ライトノベルの本当の作り方?!』
あたたかい優しい空気感が心地好い物語.
一迅社関連だけは名前そのまま使うけれども
雷撃だのドラゴンだのから始まって……メタ小説?
と思いきや,相当にリアルな感じを受ける製作風景と
仲間を大事に思いつつ頑張るキャラ達が愛しくなる
なんとも,ほんわかした雰囲気に浸れる逸品.
だれかが,出てきたものを並べ上げていそうだけれど
そう,各社のライトノベルを思い出させるのが凄く沢山
散りばめられているけれども……ひねったりしないで真っ直ぐ.
だから,謎かけとかではないので知らなくても多分無事だし
読んでいて知っていればその分だけ楽しさが増えるという感じ.
◇メモ
P.8 「思ってください! もし偶然だったら鳴かず飛ばずで
二冊目以降が出ていないはずです」
ライトノベル戦国時代。
デビュー直後、業界の先輩であり大御所作家でもある御陵さんから、
脅しのように何度も聞かされた言葉を思い出す。
「確かライトノベル作家としてデビューしても二冊目が出せるのは、
二人に一人くらいの確率なんだっけ」
「それは少し言い過ぎだと思います。雷撃大賞の受賞作は三冊は
保証されているみたいですし。ジュブナイル文庫の新人賞は二冊ですね。
それだけに四冊以上出せる作家は二人に一人どころではないかもですが」
P.10 「やっぱりですか。お父さんが言うには、『俺の担当作家で読書感想文の
P.11 コンクールで入選したやつなんて一人もいねえ。だが、どこの編集部に行っても
そういうやつは山ほどごろごろしてる』って」
「なんとなく、わかる気はするかな……」
作家は本を読むときに書く回路で作品を読み、編集者は読む回路で
作品を読むという話を、何かの本で読んだことがあった。
中にはその回路を自由自在に操れる人もいるという。
とはいえ、書評家や編集者がすべからく作家になれるわけでもないし、
作家が編集者や批評家になれるわけでもない。
編集者や批評家が小説を書くと、伏線や比喩表現ばかりが優れたものに
なりがちだと、編集長に聞いた覚えもある。
インターネットで書評を書いてる人たちにもそういう傾向があるらしい。
P.34 「もちろんこなたも桐乃もわかるけどね……」
「なら、そういうのが大丈夫な子がいるってわかりますよね」
これ、なんてラノベ? いや、エロゲか?
リアルの三次元女子の中に、可愛くてオタクなのに、
理解がある女子高生がいるなんて考えてもいなかった。
現に僕の傍にいる女はそいうものを嫌っているわけだしさ。
…『可愛くてオタクなものに』?という気がしたが,それなら可愛くてが余計か…….
P.89 「今三億も生涯賃金稼げるサラリーマンなんかそんなにいねえだろ。でもいいや。
で、六億というと、部数にして一千万部か。ラノベでそれくらい売ってる作家って、
最近はもうそんなにいないんじゃねぇの?」
「ゼロ年代に入ってからはほとんどおらへんでしょうね。俺のアニメ化したやつでも
総計三百万程度やからなあ」
「俺なんか一冊出しても二万が上限ですよ。新人賞を取ったときでも、初版
一万五千でしたし。新人の初版レベルですよ。最近の夙川なんか増刷したとしても
二千や三千単位だし。一迅もそうだよな。アニメになったときくらいでしょう、
数万単位で増刷してくれるのは」
「ま、俺は今まで二千万部くらい売ってるけどな」
「よ、先行者利益! そろそろ本気で引退せえへんのですか?
御陵さんくらいなら、いい金で先生の道だってあるわけですやん。
綺麗に引退して、俺たちに道を譲ってくださいな」
「やだよ。やれる限りは作家続けたいと思ってるし、辞めるにしても、もう一つくらい
百万部売れるシリーズを出してからだな。それに、まだ下の娘は中学生だしなあ。
大学まで面倒みてやらないと。バブルのときに金使いすぎて、
そんなに残ってないんだよ」
「だったら一般文芸にチャレンジしてみたらどうですか?夙川にやりたいって言ったら
やらせてくれるしょう。目指せ直木賞、山本周五郎賞、本屋大賞ですよ」
「手を出そうと何度か思ったんだけど、やっぱ文芸よりもラノベやってるほうが
俺の性にあってんだよね。ああいうのはああいうのが好きなやつがやってれば
いいんじゃねえのって感じで……って、なんで俺の話になってんだよ。今は
俺の話じゃなくて、羽沢の話だろ、羽沢の。ともかく高倉みたいにならねーうちに
女は確保しとけってことだな!」
P.116 屋敷の周囲を散策 …探索だろうな,直後でもそうなってるし.
P.150 フェアのキャッチコピーは「LOVE」を前面に押し出そうとおもっているからな
…ちょっと前の富士見ファンタジアの帯を思い出すなぁ.
P.154 「ほう、オタク的には野球は敵なものだと思っておったが」
「アニメの放送時間がずれるってやつですか」
「そう、それじゃ」
と、イツキは満足げに言った。
「子供のころは深夜アニメの放送時間がズレるのは腹が立ちましたけど、
今となれば深夜アニメを見るときは基本的に生派ですから、時間がずれるのも
そんんあに気にならなくなりました。アニメに付随するお祭の一つと思ってます」
P.159 もちろん自分の欲しいサークルも本も買いますが、と片桐さんは付け加えた。
…サークルの本 だろうなぁ.
P.178 「片桐さん、呼んでいただけますか?」
「あ、はい。今すぐ読んできますから」 …ん~
P.179 宝泉院弓佳 あまねみお 片桐文香 柳瀬ひなた 羽沢雛太 邂逅
P.240 それに今回の場合は「LOVE」というテーマが片桐さんから与えられているし、
既に物語のプロットは大枠だができあがっているのだ。
だから僕はそのプロとに沿って物語のアウトラインを話しつつ、それについて
疑問や思ったことなどを言ってもらう形で会議を進めていく形式を提案した。
そんなことにいみがあrのかというと、実はかなりある。
ただパソコンに向かってプロットを書いているよりも、誰かに作品の内容を
喋っている方が考えがしっかりまとまってくるものなのだ。
P.281 軽く禊ぎをしてから僕はお湯の中に身体を浸した。
…禊には違和感あるけど,下湯もイマイチだし,適語が思いつかないな.
http://1010.or.jp/sento/manner/01.html
あたたかい優しい空気感が心地好い物語.
一迅社関連だけは名前そのまま使うけれども
雷撃だのドラゴンだのから始まって……メタ小説?
と思いきや,相当にリアルな感じを受ける製作風景と
仲間を大事に思いつつ頑張るキャラ達が愛しくなる
なんとも,ほんわかした雰囲気に浸れる逸品.
だれかが,出てきたものを並べ上げていそうだけれど
そう,各社のライトノベルを思い出させるのが凄く沢山
散りばめられているけれども……ひねったりしないで真っ直ぐ.
だから,謎かけとかではないので知らなくても多分無事だし
読んでいて知っていればその分だけ楽しさが増えるという感じ.
◇メモ
P.8 「思ってください! もし偶然だったら鳴かず飛ばずで
二冊目以降が出ていないはずです」
ライトノベル戦国時代。
デビュー直後、業界の先輩であり大御所作家でもある御陵さんから、
脅しのように何度も聞かされた言葉を思い出す。
「確かライトノベル作家としてデビューしても二冊目が出せるのは、
二人に一人くらいの確率なんだっけ」
「それは少し言い過ぎだと思います。雷撃大賞の受賞作は三冊は
保証されているみたいですし。ジュブナイル文庫の新人賞は二冊ですね。
それだけに四冊以上出せる作家は二人に一人どころではないかもですが」
P.10 「やっぱりですか。お父さんが言うには、『俺の担当作家で読書感想文の
P.11 コンクールで入選したやつなんて一人もいねえ。だが、どこの編集部に行っても
そういうやつは山ほどごろごろしてる』って」
「なんとなく、わかる気はするかな……」
作家は本を読むときに書く回路で作品を読み、編集者は読む回路で
作品を読むという話を、何かの本で読んだことがあった。
中にはその回路を自由自在に操れる人もいるという。
とはいえ、書評家や編集者がすべからく作家になれるわけでもないし、
作家が編集者や批評家になれるわけでもない。
編集者や批評家が小説を書くと、伏線や比喩表現ばかりが優れたものに
なりがちだと、編集長に聞いた覚えもある。
インターネットで書評を書いてる人たちにもそういう傾向があるらしい。
P.34 「もちろんこなたも桐乃もわかるけどね……」
「なら、そういうのが大丈夫な子がいるってわかりますよね」
これ、なんてラノベ? いや、エロゲか?
リアルの三次元女子の中に、可愛くてオタクなのに、
理解がある女子高生がいるなんて考えてもいなかった。
現に僕の傍にいる女はそいうものを嫌っているわけだしさ。
…『可愛くてオタクなものに』?という気がしたが,それなら可愛くてが余計か…….
P.89 「今三億も生涯賃金稼げるサラリーマンなんかそんなにいねえだろ。でもいいや。
で、六億というと、部数にして一千万部か。ラノベでそれくらい売ってる作家って、
最近はもうそんなにいないんじゃねぇの?」
「ゼロ年代に入ってからはほとんどおらへんでしょうね。俺のアニメ化したやつでも
総計三百万程度やからなあ」
「俺なんか一冊出しても二万が上限ですよ。新人賞を取ったときでも、初版
一万五千でしたし。新人の初版レベルですよ。最近の夙川なんか増刷したとしても
二千や三千単位だし。一迅もそうだよな。アニメになったときくらいでしょう、
数万単位で増刷してくれるのは」
「ま、俺は今まで二千万部くらい売ってるけどな」
「よ、先行者利益! そろそろ本気で引退せえへんのですか?
御陵さんくらいなら、いい金で先生の道だってあるわけですやん。
綺麗に引退して、俺たちに道を譲ってくださいな」
「やだよ。やれる限りは作家続けたいと思ってるし、辞めるにしても、もう一つくらい
百万部売れるシリーズを出してからだな。それに、まだ下の娘は中学生だしなあ。
大学まで面倒みてやらないと。バブルのときに金使いすぎて、
そんなに残ってないんだよ」
「だったら一般文芸にチャレンジしてみたらどうですか?夙川にやりたいって言ったら
やらせてくれるしょう。目指せ直木賞、山本周五郎賞、本屋大賞ですよ」
「手を出そうと何度か思ったんだけど、やっぱ文芸よりもラノベやってるほうが
俺の性にあってんだよね。ああいうのはああいうのが好きなやつがやってれば
いいんじゃねえのって感じで……って、なんで俺の話になってんだよ。今は
俺の話じゃなくて、羽沢の話だろ、羽沢の。ともかく高倉みたいにならねーうちに
女は確保しとけってことだな!」
P.116 屋敷の周囲を散策 …探索だろうな,直後でもそうなってるし.
P.150 フェアのキャッチコピーは「LOVE」を前面に押し出そうとおもっているからな
…ちょっと前の富士見ファンタジアの帯を思い出すなぁ.
P.154 「ほう、オタク的には野球は敵なものだと思っておったが」
「アニメの放送時間がずれるってやつですか」
「そう、それじゃ」
と、イツキは満足げに言った。
「子供のころは深夜アニメの放送時間がズレるのは腹が立ちましたけど、
今となれば深夜アニメを見るときは基本的に生派ですから、時間がずれるのも
そんんあに気にならなくなりました。アニメに付随するお祭の一つと思ってます」
P.159 もちろん自分の欲しいサークルも本も買いますが、と片桐さんは付け加えた。
…サークルの本 だろうなぁ.
P.178 「片桐さん、呼んでいただけますか?」
「あ、はい。今すぐ読んできますから」 …ん~
P.179 宝泉院弓佳 あまねみお 片桐文香 柳瀬ひなた 羽沢雛太 邂逅
P.240 それに今回の場合は「LOVE」というテーマが片桐さんから与えられているし、
既に物語のプロットは大枠だができあがっているのだ。
だから僕はそのプロとに沿って物語のアウトラインを話しつつ、それについて
疑問や思ったことなどを言ってもらう形で会議を進めていく形式を提案した。
そんなことにいみがあrのかというと、実はかなりある。
ただパソコンに向かってプロットを書いているよりも、誰かに作品の内容を
喋っている方が考えがしっかりまとまってくるものなのだ。
P.281 軽く禊ぎをしてから僕はお湯の中に身体を浸した。
…禊には違和感あるけど,下湯もイマイチだし,適語が思いつかないな.
http://1010.or.jp/sento/manner/01.html
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