日向まさみち『ロンリー・コンバット!』角川書店
ガッチガチの恋愛小説,といっていいかな.
最初の軽い感じから,重く重く沈んでいき
考えに考えてのお終いへ.
じっくりと物語世界に浸って来た.
300頁のイナリの気づきについて……
独り善がりに感じてしまう部分がある.
投げ出してしまうことではないか?
◇メモ
P.40 ただしメイド服と言っても、フレンチではなくヴィクトリアンメイドで、
頭にはホワイトブリムもない。簡単に言うと、フレンチはアニメなどで
よく見るレースつきのタイプで、ヴィクトリアンは本家英国のロングドレスの
仕事着タイプ、ホワイトブリムはメイドさんカチューシャで、こんな単語が
すらすら出て来るやつは危険人物だ。
P.67 「じゃあ、漫☆画太郎先生の『珍遊記』!」
P.195 「でな、何もオタクに限ったわけじゃないんだ。世の中には理屈抜きで
攻撃をされたりすることもある。何かを真剣にやっていたら、『必死でダサイ』
とか笑われたりすることもある。そんな風に悪く言われて前に進めなくなった
ときは、みんな、思い出してくれ。先生は少しの勇気を持てなかったせいで、
本当にくやしい思いをしたってことを。先生が言いたいのはそれだけだ。
そこから先、どうするかは一人一人考えてくれ」
慣れない真面目な話で空気は重くなったが、清水たちが向けていた悪意の
視線は弱まったように思える。
P.231 特にうれしかったのは、わざわざ授業後に残って
「今までありがとうございました」と頭を下げてくれた清水ユキだ。
どんな心境の変化があったのだろう。厳しかった表情が嘘みたいに穏やかで、
彼女らしいきれいなものに戻っていた。
P.299 「私、先生が好き。この気持ちは一生変わらない。
約束したの。先生を一生好きでいるって!」
愛されているのがはっきりと伝わる。都は俺の腕を離さないよう大切に
抱締めて言ってくれた。きっと都なら誠実にこの言葉を
一生守り抜くだろう––そして、これから一生、
都は十三歳のこの言葉に縛られて生きていく。
こんなこと気づかなければよかった。
––俺を愛し続けることは、都が他の誰かと出会う可能性を奪うことになる。
これまで都が好きになった相手は俺一人だけ。
その俺を一生愛すると決めた都は、まだ十三歳。
そんな都の未来を固定してしまう決断を、俺は許していいのか。
ガッチガチの恋愛小説,といっていいかな.
最初の軽い感じから,重く重く沈んでいき
考えに考えてのお終いへ.
じっくりと物語世界に浸って来た.
300頁のイナリの気づきについて……
独り善がりに感じてしまう部分がある.
投げ出してしまうことではないか?
◇メモ
P.40 ただしメイド服と言っても、フレンチではなくヴィクトリアンメイドで、
頭にはホワイトブリムもない。簡単に言うと、フレンチはアニメなどで
よく見るレースつきのタイプで、ヴィクトリアンは本家英国のロングドレスの
仕事着タイプ、ホワイトブリムはメイドさんカチューシャで、こんな単語が
すらすら出て来るやつは危険人物だ。
P.67 「じゃあ、漫☆画太郎先生の『珍遊記』!」
P.195 「でな、何もオタクに限ったわけじゃないんだ。世の中には理屈抜きで
攻撃をされたりすることもある。何かを真剣にやっていたら、『必死でダサイ』
とか笑われたりすることもある。そんな風に悪く言われて前に進めなくなった
ときは、みんな、思い出してくれ。先生は少しの勇気を持てなかったせいで、
本当にくやしい思いをしたってことを。先生が言いたいのはそれだけだ。
そこから先、どうするかは一人一人考えてくれ」
慣れない真面目な話で空気は重くなったが、清水たちが向けていた悪意の
視線は弱まったように思える。
P.231 特にうれしかったのは、わざわざ授業後に残って
「今までありがとうございました」と頭を下げてくれた清水ユキだ。
どんな心境の変化があったのだろう。厳しかった表情が嘘みたいに穏やかで、
彼女らしいきれいなものに戻っていた。
P.299 「私、先生が好き。この気持ちは一生変わらない。
約束したの。先生を一生好きでいるって!」
愛されているのがはっきりと伝わる。都は俺の腕を離さないよう大切に
抱締めて言ってくれた。きっと都なら誠実にこの言葉を
一生守り抜くだろう––そして、これから一生、
都は十三歳のこの言葉に縛られて生きていく。
こんなこと気づかなければよかった。
––俺を愛し続けることは、都が他の誰かと出会う可能性を奪うことになる。
これまで都が好きになった相手は俺一人だけ。
その俺を一生愛すると決めた都は、まだ十三歳。
そんな都の未来を固定してしまう決断を、俺は許していいのか。
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