入間人間『探偵・花咲太郎は閃かない』メディアワークス文庫
買い求めたものの冒頭を少し読んで積読してた.
読んでみて……面白いことは面白いけれども……
文章というか文体が入間人間しているので
読むのは楽なのだけど,微妙に冴えない感じも.
あえて悪く言ってみると,サビ抜きみーまー.
あと,電波女と青春男シリーズに未読があったら
そちらを読んでからにする方がいい気がする.
◇メモ
P.85 相変わらず、粒子が髪やそこから溢れ出す美貌を備えた男である。これで
三十台とは信じがたい。
淡い水色のような、およそ地球人らしくない髪にお揃いの瞳。黄金比を
参考にしたような目鼻の配置に、極めつけはやはり、常時舞い散る水色の粒子。
妖精の子孫と自己紹介されても違和感がない、錯覚の光に包まれている。
自称『宇宙人』は伊達じゃない。
P.93 叶うなら自転車の籠に収まって、他の人に運転を交代して貰いたい。
P.104 「ロリコンさん御用達の番組なんて、こんな時間にやってないわよ」
P.105 教育番組の再放送で、エプロンを着けた女の子が料理に取り組んでいた。
ペドメーター(万歩計)とかつてあだ名されたぼくの眼球には、その子の
年齢がはっきりと映る。むぅ、十歳だな。
P.113 ラーの鏡探せって依頼が来たらどうしよう。
…ドラクエ.%何でも真実の姿を明らかにする.
P.119 好戦的な犬二匹、か。
「なるほどね」
現場でぼくの出した答えは、やはり推理の副産物などではない。
目前の事実だった。
P.120 ぐ、と目を強く瞑ると、数滴、涙が溢れた。何に基づいて零れた涙か、
ぼくは自覚して、少しだけ赤面する。ぼくにもこういう気持ちとか、
素直な関心があるんだなぁ。
P.122 「ああ、外国の新聞記事。ネットで拾って印刷してきた」
外国の島が地震の二次災害の津波に遭って、一ヶ月が経過した頃の記事だ。
実際に起きたのは今から半年以上前なので、どちらにしても古い新聞ではある。
P.146 そうそう、朝から読んでいた外国の新聞に紹介されていた。地震による
津波から避難した人たちの飼っていた犬にまで救援の手が及ばず、結果として
彼だが人間の死体を食い漁りだしたという記事が。
P.149 何より中條拓也の行動は美しい。人間を相手にした善意を
振りまいていないからだ。賞賛という、手っ取り早い見返りを求めていない。
名探偵とは対極だ。
P.150 中條拓也の行動には自己満足が多く含まれている。勿論、誰の行動だってそうだ。
だけど中條拓也の殺人は、犬に対する純粋な善意に満ち溢れている。
犬は言葉で応えない。感謝さえしていないかも知れない。
だが、そんな物求めてはいないだろう。
中條拓也はそういう意味で、犬や猫を探す探偵にとって理想に近い形の
思想を持っている。ボランティアと、仕事の違いがそこにはあるのだろう。
全てのボランティアを肯定することはないけど、時々、眩しさを感じたりするのだ。
例えば、こんなときに。
だから中條拓也の行動に、失踪事件の真意に気づいたとき。
あの廃ビルの暗がりで、ぼくは涙を流したのだ。
P.206 「体力はありそうだから、使えそうだな。お前、ウチの事務所にこないか?」
肩を叩いて勧誘された。『よい身体してるね』と誘ってくる自衛隊の勧誘みたいだ。
P.228 ちなみに今日の所長は河原へ絵を描きに出て行った。描いた絵と交換で
おにぎりでも貰うつもりなのだろうか。
買い求めたものの冒頭を少し読んで積読してた.
読んでみて……面白いことは面白いけれども……
文章というか文体が入間人間しているので
読むのは楽なのだけど,微妙に冴えない感じも.
あえて悪く言ってみると,サビ抜きみーまー.
あと,電波女と青春男シリーズに未読があったら
そちらを読んでからにする方がいい気がする.
◇メモ
P.85 相変わらず、粒子が髪やそこから溢れ出す美貌を備えた男である。これで
三十台とは信じがたい。
淡い水色のような、およそ地球人らしくない髪にお揃いの瞳。黄金比を
参考にしたような目鼻の配置に、極めつけはやはり、常時舞い散る水色の粒子。
妖精の子孫と自己紹介されても違和感がない、錯覚の光に包まれている。
自称『宇宙人』は伊達じゃない。
P.93 叶うなら自転車の籠に収まって、他の人に運転を交代して貰いたい。
P.104 「ロリコンさん御用達の番組なんて、こんな時間にやってないわよ」
P.105 教育番組の再放送で、エプロンを着けた女の子が料理に取り組んでいた。
ペドメーター(万歩計)とかつてあだ名されたぼくの眼球には、その子の
年齢がはっきりと映る。むぅ、十歳だな。
P.113 ラーの鏡探せって依頼が来たらどうしよう。
…ドラクエ.%何でも真実の姿を明らかにする.
P.119 好戦的な犬二匹、か。
「なるほどね」
現場でぼくの出した答えは、やはり推理の副産物などではない。
目前の事実だった。
P.120 ぐ、と目を強く瞑ると、数滴、涙が溢れた。何に基づいて零れた涙か、
ぼくは自覚して、少しだけ赤面する。ぼくにもこういう気持ちとか、
素直な関心があるんだなぁ。
P.122 「ああ、外国の新聞記事。ネットで拾って印刷してきた」
外国の島が地震の二次災害の津波に遭って、一ヶ月が経過した頃の記事だ。
実際に起きたのは今から半年以上前なので、どちらにしても古い新聞ではある。
P.146 そうそう、朝から読んでいた外国の新聞に紹介されていた。地震による
津波から避難した人たちの飼っていた犬にまで救援の手が及ばず、結果として
彼だが人間の死体を食い漁りだしたという記事が。
P.149 何より中條拓也の行動は美しい。人間を相手にした善意を
振りまいていないからだ。賞賛という、手っ取り早い見返りを求めていない。
名探偵とは対極だ。
P.150 中條拓也の行動には自己満足が多く含まれている。勿論、誰の行動だってそうだ。
だけど中條拓也の殺人は、犬に対する純粋な善意に満ち溢れている。
犬は言葉で応えない。感謝さえしていないかも知れない。
だが、そんな物求めてはいないだろう。
中條拓也はそういう意味で、犬や猫を探す探偵にとって理想に近い形の
思想を持っている。ボランティアと、仕事の違いがそこにはあるのだろう。
全てのボランティアを肯定することはないけど、時々、眩しさを感じたりするのだ。
例えば、こんなときに。
だから中條拓也の行動に、失踪事件の真意に気づいたとき。
あの廃ビルの暗がりで、ぼくは涙を流したのだ。
P.206 「体力はありそうだから、使えそうだな。お前、ウチの事務所にこないか?」
肩を叩いて勧誘された。『よい身体してるね』と誘ってくる自衛隊の勧誘みたいだ。
P.228 ちなみに今日の所長は河原へ絵を描きに出て行った。描いた絵と交換で
おにぎりでも貰うつもりなのだろうか。
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