森田季節『エトランゼのすべて』星海社FICTIONS
とても素敵な青春小説.
恋の一番美味しい部分の,恋の手前の
薄暗く憧れるあたりの,さらに手前あたりで
もやもやを抱えている様子がたまらない.
最初の方は,自意識過剰っぽさが
わずかにくどいと感じないでもないけど
それが細やかな気遣いをする主人公の
人となりをよく表現している.
そして,もやもやのまわりが恋とは別の要素を
含んでいて,後半で大きく動くけれども
これが,恋の手前のもやもやと響きあって
なんとも素敵なサークル仲間なのだった.
◇メモ
P.95 アニメをたくさん見るために、二倍速で見るだなんて
本末転倒な所業をしたことはない。
P.96 抜いたCDには「陰陽座」と書いてあった。
P.113 ありがちすぎるクリシェだ……。 フランス語:cliché
P.127 しかし、また僕のほうは相手の一言で混乱させられる。
「針塚君に話せていない大切な話がたくさん残っていますし」
たどたどしくも、どこか悲壮感を帯びた声。
いったいどういう意味だ。ここで話せない内容となると、告白ぐらいしか
思いつかない。いや、どうせマークシートのチェックがすべて一つずつ
ずれているといったレベルの重大な誤解をしているのだろう。
P.133 眠気を覚まそうと、夜は水漏れの音がうるさい風呂に入ることにした。立方体に
近い形なので、湯を大量に入れる必要があり、足も伸ばせないという
問題点だらけの風呂である。ガス代がもったいないので、タライをつかって
行水感覚で入浴している。
P.165 「なんとなくはわかりますよ。会長は、なんていうか、
残念な人たちのよりどころになりたかったんですよね?」
P.187 大村先輩の話は一言で言うと、ワイドショーの立ち位置と同じなのだ。遠く
離れた安全な場所から石を投げているだけなのだ。石というのがミソで、
基本的に何かをけなしているのだ。
P.227 「君も気になるの、あれ?」
「あの顔、まずいだろ。放っとておくと、そのうち、死ぬぞ」
「あら、気が合う。アタシ、勝原理沙って言うんだけど」
「俺は綱島亮梧。まだ、サークルは決めてない」
「アタシも。でも、アタシらだけでやるには人が足りないでしょ」
P.233 「その後、サークルの人たちに聞いて、真相を知りました。
鞍馬に行くときに針塚君にも話すつもりだったんですけど、あれが中止になって、
わたしはてっきり事実を見たくないという針塚君の心の表われだと思って、
ずっと何も伝えないでいたんです」
◇P.237 挿絵 中道さん三浪?梧が悟だったりするから細かく見るな!かな.
中道香澄
平成02年12月10日 剣??介 × 3 (笑)
平成02年03月03日 平成02年08月08日
長月冴子 平成02年03月???
平成02年06月03日 綱島亮悟
平成02年08月03日
とても素敵な青春小説.
恋の一番美味しい部分の,恋の手前の
薄暗く憧れるあたりの,さらに手前あたりで
もやもやを抱えている様子がたまらない.
最初の方は,自意識過剰っぽさが
わずかにくどいと感じないでもないけど
それが細やかな気遣いをする主人公の
人となりをよく表現している.
そして,もやもやのまわりが恋とは別の要素を
含んでいて,後半で大きく動くけれども
これが,恋の手前のもやもやと響きあって
なんとも素敵なサークル仲間なのだった.
◇メモ
P.95 アニメをたくさん見るために、二倍速で見るだなんて
本末転倒な所業をしたことはない。
P.96 抜いたCDには「陰陽座」と書いてあった。
P.113 ありがちすぎるクリシェだ……。 フランス語:cliché
P.127 しかし、また僕のほうは相手の一言で混乱させられる。
「針塚君に話せていない大切な話がたくさん残っていますし」
たどたどしくも、どこか悲壮感を帯びた声。
いったいどういう意味だ。ここで話せない内容となると、告白ぐらいしか
思いつかない。いや、どうせマークシートのチェックがすべて一つずつ
ずれているといったレベルの重大な誤解をしているのだろう。
P.133 眠気を覚まそうと、夜は水漏れの音がうるさい風呂に入ることにした。立方体に
近い形なので、湯を大量に入れる必要があり、足も伸ばせないという
問題点だらけの風呂である。ガス代がもったいないので、タライをつかって
行水感覚で入浴している。
P.165 「なんとなくはわかりますよ。会長は、なんていうか、
残念な人たちのよりどころになりたかったんですよね?」
P.187 大村先輩の話は一言で言うと、ワイドショーの立ち位置と同じなのだ。遠く
離れた安全な場所から石を投げているだけなのだ。石というのがミソで、
基本的に何かをけなしているのだ。
P.227 「君も気になるの、あれ?」
「あの顔、まずいだろ。放っとておくと、そのうち、死ぬぞ」
「あら、気が合う。アタシ、勝原理沙って言うんだけど」
「俺は綱島亮梧。まだ、サークルは決めてない」
「アタシも。でも、アタシらだけでやるには人が足りないでしょ」
P.233 「その後、サークルの人たちに聞いて、真相を知りました。
鞍馬に行くときに針塚君にも話すつもりだったんですけど、あれが中止になって、
わたしはてっきり事実を見たくないという針塚君の心の表われだと思って、
ずっと何も伝えないでいたんです」
◇P.237 挿絵 中道さん三浪?梧が悟だったりするから細かく見るな!かな.
中道香澄
平成02年12月10日 剣??介 × 3 (笑)
平成02年03月03日 平成02年08月08日
長月冴子 平成02年03月???
平成02年06月03日 綱島亮悟
平成02年08月03日
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