8月29日の日記

2012年8月29日 読書
森田季節『プリンセス・ビター・マイ・スウィート』MF文庫J

『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』の不思議感に
惹きつけられたけど,これを見落としていて
『ともだち同盟』で陥落して作品追い始めたというのに
これを既読と勘違いしてしまっていた.うわ~わ~わ~.

で……著者らしいキャラだなと読み始めてまもなく
恋の手前のもやもやしているあたりが美味しくて
ビターというし,気配もいろいろだけど,美味しいなと読み進み
……寂しさもあったけど,なんか,二度美味しい気分になった.
森田季節作品の不思議に慣れたからということでなく
この作品は,恋心の要素が強いからだと思う.

◇メモ
P.29 お姉様もあんな愚昧な愚妹は義絶するべきです。
P.30 ちなみにパーリーというのはパートリーダーのことだ。
P.40 「しかしね、関谷君、君がそのつもりでも、畠山さんと一緒に
   歩いていればクラスの人間はどうしたって変な目で見る。
   たとえ、無実でもだ。それは畠山さんを結局は不幸にしてしまう」
    友淵は気合を入れるみたいに左手の中指でメガネのフレームを
   押し上げた。何か一息入れないと言いづらいようなことがあるんだろう……。
    はっとした。俺は友淵の意図に気づく。ダメだ、その先を言わせては!
    だが、俺が何かを叫ぶより友淵が早かった。
   「君も知ってるはずだ。畠山さんの噂を。家出を繰り返して
    何人もの男と――」
   「友淵、やめ――」

   「やめてっ!」
    風船を破裂させたようなチャチャの声。

P.188 「しかしね、関谷君、君がそのつもりでも、畠山さんと一緒に
   歩いていればクラスの人間はどうしたって変な目で見る。
   たとえ、無実でもだ。それは畠山さんを結局は不幸にしてしまう。
   君も知ってるはずだ。畠山さんの噂を。家出を繰り返して
   何人もの男と――」
   「やめてっ!」
   ずっと口をつぐんでいた妹の悲鳴。
   それは悲鳴とでも言うしかないものだった。

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