1月11日の日記

2013年1月11日 読書
健速『六畳間の侵略者!? 11』HJ文庫

里見孝太郎の保護下にある存在の中で
一番,存在基盤が危うい早苗が……
孝太郎のかかえる危うさともなう存在基盤を
少しだけど,確かにしっかりさせるという
地味だけど,心地好い読後感の物語.

◇メモ
P.37 「真紅のチューリップの花言葉は『真実の愛』でございます」
    …赤は愛の宣告・愛の告白としてるのが多い.
     ピンクに真実の愛を当ててる例あり.

P.71 「結局の所、今のコータローはゆりかに一番心を許しているのかもしれんの……」
P.71 「かもしれんな。我らに対するのに比べ、ゆりかに対しては驚くほど無防備だ」
P.71 「サトミ様が誰かに何かを要求するのは、ユリカ様が相手の時だけですからね」
   ティアの感じていたことは、キリハやルースにも実感のある事だった。

P.214 「孝太郎は誰にも要求しないが、ゆりかにだけは不思議と要求する。
    一緒に台本を書いたり、宿題をしたり、プロレス技の実験台にしたり。
    覚えはあるだろう?」

P.217 「ここからは我の推測なのだが………孝太郎は恐らく、自分が
    好きになった人間が、母親と同じくどこかへ去ってゆくことを恐れている。
    だから求めない。踏み込まない」
P.217 「そして周囲の人間に可能な限り気を配る。自分の不注意が取り返しの
    つかない結果を引き起こさないように」

P.217 「じゃから、ゆりかだけが例外なのじゃっ!?」
P.218 「そうだ。我らは地底人で、異星人で、幽霊だった。いずれは別れの時が
    来るのは明白。それで孝太郎は、我らから一歩引いた姿勢を取った」

P.296 「違うよ。死んだぐらいじゃ、終わらないんだよ」

P.296 「それに一人になんてなれやしない。どこかで誰かが見守ってくれてる。
    あたしはそれをちゃんと知ってるもの」

P.324 『違うよ。死んだぐらいじゃ、終わらないんだよ』
    『それに一人になんてなれやしない。どこかで誰かが見守ってくれてる。
    あたしはそれをちゃんと知ってるもの』
     戦いの中で囁かれたその言葉を、孝太郎は覚えている。早苗も
    信じているのだ。今日という日が、そのままずっと続いていくのだと。
    それを信じていたから、早苗は孝太郎達の下へと帰ってこられたのだ。

P.325  だったら、孝太郎もそれを信じるべきではないだろうか?不意に
    そんな想いが孝太郎の胸に湧き上がってくる。
     もちろん、すぐには無理だろう。人間が生き方を変えるのは難しい。
    一度勢いのついたものを、反対向きに動かすには大きな力と
    長い時間が必要になる。
     だが孝太郎は、その為の最初の一歩ぐらいは、今から踏み出すべきだと
    思うのだ。それを期待している多くの人達の為に。そしてそういう人達から
    目を背けようとしてきた、自分自身の未来を変える為に。

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