荻原規子『RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日』カドカワ銀のさじシリーズ

面白かった.ふらふら危なっかしい泉水子だけど
なんとか落っこちないで抜けられたねぇ.
抜けたと思ったら,大変なことになってるけど.
しかし,舞いの部分はもっと描いて欲しかったなぁ.
いや,十二分に?脳内補完しているけどね.

◇メモ
P.27 高柳の目的は、学園トップにしかなれない世界遺産候補に
   選ばれることであり、真響のねらいも同じところにある。

P.89 雪政の加持はごく短かった。軽く手を振るしぐさをしただけだ。
   「……天も感応、地も納受、鬮はさらさら」

P.118 「けんか腰はよくないよ。落ち着いて話そうよ。おれは宗田さんに、
     感謝されていいことをしたつもりなんだけどな」

P.119 「うそ……もしかして?」
    「うん、もしかする」

P.134 「たとえばさ。おれが、行き場のない霊を見かけて、こいつら
    このままじゃだめだなーと思って、喰っちまうことがあるだろう。
    それも<好き>のうちだよな?」

P.135 「真澄くん、真響さんの何がわからなかったの?」
    「ずれがあるんだ。でも、たいしたことじゃない」

P.142 「おれのためじゃなく、自分が着たかったって、正直に言えよ」

P.142 早川の手が、泉水子の体に触れなかった。肩を突きぬけて背中に出ていた。

P.207 「教えてほしいんだ。一学期のはじめに、きみたちがC組のリカルドを
    消したとき、本当は何が起きていたのかを。ぼくは、あのときの情況から、
    鳴弦の術が高度なのかと思った。けれども、ちがうよね。リカルドだった
    式神の霊は、暴れもせずにフェイズの向こうにもどってしまった。
    あれは――相楽ではなく、きみが操ったことだったの?」
     泉水子は息を止めた。
     心臓に何かが突き刺さったような気がした。
     高柳は知らずにミスをおかしたのだ。
     今は、たった一つの言葉が、全身に揺さぶりをかけていた。泉水子が、
    大事なことを忘れ、思い出したくても思い出せないと考え続けていたものを、
    高柳はうっかり口にしたのだ。

P.210 けれども、今、怒りにわれを忘れたせいで、泉水子は瞬間別の境地に
    達してしまった。ほんの数秒だけ、どうすればできるかを意識した。
    「わたしは、高柳くんたちとはちがう」
    かすれた声で告げ、式神に人さし指を突きつける。それだけでよかった。

P.231 「そうじゃなくて、真澄は、よくないものを排除しただけ。防衛軍チームの
    ツキが、何かの方法で減らされているって気づいたの。被甲護身の
    真言を唱えたら、真澄が来て、おかしな障害を追い払ってくれた。
    変になっているのは、たぶん馬場だけのことじゃないのよ」

P.266 「そうなんだけど……おれ、ここのところ、わからなくなりかけてるんだよ。
     真響の代わりをするとよくわかる。真響は、自分を捨てていいと考えてる」

P.267 「迷いだしてる。このままじゃいけないと思って、それで、この夏の
    ことがあっただろう。ずれができはじめているんだ。今はまだ、
    かろうじて現状維持ができるけどね」

P.279 「そいつは、すでに十分変になっているから、触っていなくても同時に通れる」

P.288 心を静めて、浄三業、三部、被甲の護身をする。そして九字を切り、
    木立のあいだを駆け出した。

P.311 「おれは、信じる訓練からはじめたほうがよさそうなんだ。
    今日はそのことがよくわかったよ」

巻末記載

引用文献
「祓 五体加持文」 「不動尊祈り経」 『修験道秘経入門』 羽田守快著 原書房
「創世記」 『舊新約聖書』 日本聖書協会
『新版九字護身法』 大八木興文堂

参考文献
『決戦!八王子城――直江兼続の見た名城の最期と北条氏照』 前川實著 揺籃社

コメント

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Holly
2014年4月12日23:07

That’s a smart way of lonkoig at the world.

nophoto
Rahmat
2014年4月13日8:21

Well put, sir, well put. I’ll centliray make note of that.

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