野村美月『“花散里" ヒカルが地球にいたころ……(8)』ファミ通文庫
何か微妙に足りない気分をともないつつ読み終えた.
級長というのが,イジメられっ子とまではいかずとも
何か貶められている存在になっているというのが
ピンとこなかったからかなぁ.みちる周辺に関して
著者の強引さを感じてしまったというか.
葵と帆夏あたりがいつもの調子でやってくれてるのに
何となく救われていた気がしないでもない.
あと二巻で完結ということなので,著者の腕っ節で
物語は大嵐を迎えて,大団円に向かうのだろうな.
◇メモ
P.52 「冗談だよ。きっと、是光のことが大好きな女の子が、
力を貸してくれているんだよ。たとえば、意地っ張りで
お節介なヘリオトロープみたいな女の子とかね」
P.99 天ぷらに、唐辛子をかけて食べようとして手を伸ばしたら、
帆夏の手と重なってしまったこと。
あのとき、帆夏も、是光と同じように辛いもの好きだと知ったこと。
P.105 「わたしは……ないんだ。中等部のときも、ほのちゃんは人気者だから
忙しくて、わたしとばかりいられないから、図書室で本を読んだりして……。
でもね……本当は、好きな人と手を繋いで校内を歩いたり、一緒に
綿菓子食べたり、水風船を釣ったり、射的でぬいぐるみとってもらったり、
フォークダンスしたりするの、恋人たちのフルコースって感じで憧れてて
……彼氏ができたら、ずっとやってみたいなって、思ってた……」
P.120 (赤城……あたしに無視されてると思ってるだろうな……今まで
さんざんつきまとって、お節介やいといて、赤城が文化祭の
実行委員になって苦労してるときに、作業サボって帰っちゃったりして、
きっとすごく怒ってるよね……。あたしのこともう、頼りになる
ヘリオトロープだなんて、思ってもらえないよね……)
P.127 遠回しに何度も気持ちを伝えて。是光は夕雨のことを忘れて
なかったけれど、それでも帆夏と向き合おうとしてくれて、夜の
プールに誘ってくれたり、『おまえが俺を好きだって言ったこと、
忘れてねーよ』と言ってくれたり、必ず帆夏への気持ちに
答を出すからと、約束までしてくれた。
P.141 先ほどのみちるの行為は、普段のみちるから考えると、
異常だった。その前に、みちるが、恋人のフルコースがどうのと
語りはじめたあたりから、もうおかしかった。
P.129 「葵だけは、絶対ねぇ!」
P.186 「金木犀って、星の精が集まって、くすくす笑いあっているみたいだよね。
この香りを嗅ぐと、ああ秋が来たんだなって思わないかい。それに、
香りには過去をよみがえらせる力もあって。たとえば……」
P.188 『橘の 花散る里の ほととぎす 片恋しつつ 鳴く日しそ多き』
大伴旅人 万葉集・巻8・1473
P.269 「でも大丈夫。だって、来年も花は咲く。何故、このキューピッドの像の
前で愛を誓った恋人たちは永遠に結ばれると言われているのか、
知ってる?それは、この像が橘に囲まれていて、橘が永遠を象徴する
花だからだよ。遙かな昔、ときの天皇が田道守に命じて常世の国から
持ち帰らせた、澄んだ芳香を放つ不老不死の果実――非時香菓、
それが、橘なんだから」 ときじくのかぐのこのみ
何か微妙に足りない気分をともないつつ読み終えた.
級長というのが,イジメられっ子とまではいかずとも
何か貶められている存在になっているというのが
ピンとこなかったからかなぁ.みちる周辺に関して
著者の強引さを感じてしまったというか.
葵と帆夏あたりがいつもの調子でやってくれてるのに
何となく救われていた気がしないでもない.
あと二巻で完結ということなので,著者の腕っ節で
物語は大嵐を迎えて,大団円に向かうのだろうな.
◇メモ
P.52 「冗談だよ。きっと、是光のことが大好きな女の子が、
力を貸してくれているんだよ。たとえば、意地っ張りで
お節介なヘリオトロープみたいな女の子とかね」
P.99 天ぷらに、唐辛子をかけて食べようとして手を伸ばしたら、
帆夏の手と重なってしまったこと。
あのとき、帆夏も、是光と同じように辛いもの好きだと知ったこと。
P.105 「わたしは……ないんだ。中等部のときも、ほのちゃんは人気者だから
忙しくて、わたしとばかりいられないから、図書室で本を読んだりして……。
でもね……本当は、好きな人と手を繋いで校内を歩いたり、一緒に
綿菓子食べたり、水風船を釣ったり、射的でぬいぐるみとってもらったり、
フォークダンスしたりするの、恋人たちのフルコースって感じで憧れてて
……彼氏ができたら、ずっとやってみたいなって、思ってた……」
P.120 (赤城……あたしに無視されてると思ってるだろうな……今まで
さんざんつきまとって、お節介やいといて、赤城が文化祭の
実行委員になって苦労してるときに、作業サボって帰っちゃったりして、
きっとすごく怒ってるよね……。あたしのこともう、頼りになる
ヘリオトロープだなんて、思ってもらえないよね……)
P.127 遠回しに何度も気持ちを伝えて。是光は夕雨のことを忘れて
なかったけれど、それでも帆夏と向き合おうとしてくれて、夜の
プールに誘ってくれたり、『おまえが俺を好きだって言ったこと、
忘れてねーよ』と言ってくれたり、必ず帆夏への気持ちに
答を出すからと、約束までしてくれた。
P.141 先ほどのみちるの行為は、普段のみちるから考えると、
異常だった。その前に、みちるが、恋人のフルコースがどうのと
語りはじめたあたりから、もうおかしかった。
P.129 「葵だけは、絶対ねぇ!」
P.186 「金木犀って、星の精が集まって、くすくす笑いあっているみたいだよね。
この香りを嗅ぐと、ああ秋が来たんだなって思わないかい。それに、
香りには過去をよみがえらせる力もあって。たとえば……」
P.188 『橘の 花散る里の ほととぎす 片恋しつつ 鳴く日しそ多き』
大伴旅人 万葉集・巻8・1473
P.269 「でも大丈夫。だって、来年も花は咲く。何故、このキューピッドの像の
前で愛を誓った恋人たちは永遠に結ばれると言われているのか、
知ってる?それは、この像が橘に囲まれていて、橘が永遠を象徴する
花だからだよ。遙かな昔、ときの天皇が田道守に命じて常世の国から
持ち帰らせた、澄んだ芳香を放つ不老不死の果実――非時香菓、
それが、橘なんだから」 ときじくのかぐのこのみ
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