10月26日の日記

2013年10月26日 読書
森田季節『つきたま 3 ※公務員でも世界を救えます』ガガガ文庫

なんか,巻を重ねるにつれて,ほんわかした雰囲気が
濃厚になってきて,桃源メルヘン系っぽくなった気が.
あとがきに書かれている土壇場で変えた効果のためか
この先を読みたいような,感じの好い読後感にひたれた.
ところで,207頁のイラスト可愛いけど,薬師寺の左太ももに
装着されている帯状のモノって名称あるんだろうか?

◇メモ
P.48 「怠惰な者に努力が否定されたからです。こんなに
   知識の無い人に……。どうせ、さっき言った星辰とかも、
   音だけでは漢字が想像できてないでしょう?」
   「バカにしないでよ。誠実な心って書いて誠心でしょ。
   それぐらいわかるわよ」
    残念ながら間違ってます。たぶん。
   「とにかく、わたしの力によって世界は終焉を迎えるのです」
   「終演なんて迎えさせないわ!」
   「今日が破滅の濫觴となることでしょう」
   「破滅の乱調なんて許さないわ!」
    薬師寺、お前、せめてもてあそばれてることに気づけ……。
   「やがて、箕原は荒蕪の地となることでしょう」
   「工部の地……? 機械化された土地……どうして?」
   「もはや、ワルたまは猖獗を極めていますよ」
   「氷結を極める……?」
   「箕原は累卵の危機に瀕しているのですよ」
   「るいらん?」
    安定の全問不正解でした。

P.227 「あのさ、あれからお前が魔法を使うの見てないんだけど、
    ちゃんと使えるようになってるのか?」
     修行のあと、すぐに秩父から帰った。けっこう時間がかかるし、
    あまり女子高生を遅くまで連れまわすべきじゃないからな。
    「知らない。私も試してないから」
    「ふうん、そしたら、ぶっつけ本番だな…………はっ?」
     聞いてはならないことぉ聞いたぞ、今。夢なら覚めてほしいレベル。
    「お前、まさか常時魔法が使えるか試さずに、ここまで来たの……?
    マジで言ってるの? 記念受験に来た学生ぐらいしか
    許されないような話だぞ、それ……」
    「だって、前日にやったりして上手くいかなかったら、余裕もなくなって
    くるでしょ。また逆戻りなのかも……まずいかも……魔法が使えなかったら
    どうしようって不安になって、当日も引きずったりするかもしれないじゃない。
    だから、今回もぶっつけ本番がいいかなって」
    「お前、自分の受験の時も同じこと言えるんだな?言えるんだな?」
    「何よ! つきたまが見えるようになったのは事実だし、大丈夫だって!
    いける、いける! つきたまが力を貸してくれるって!」
     もしや、俺の計画は完全に破綻していたのではないだろうか……。
     相手がここまで無責任とは考えてなかった。やはり、公務員してると、
    職員はある程度まともだからな……。
     頭に嫌な汗をかきそうになっていたら、手を強く握られた。
     薬師寺が力強く笑っていた。
    「鶴見、ここは私を信じて」
    「根拠は?」
    「ないわ」
    「…………マノさん、呼ばない?」
    「ここは私がカヤを倒すのが、筋ってものでしょ!」
     言葉に間違いはないが、倒せるのだろうか……。

P.232 「だって、魔法にも厳然たるルールがあるんですよ。 そんな好き放題に
    力が使えるものじゃありません! わたしは研究を重ねて、吸収や
    爆発の魔法を手にしたんです!」
     カヤめ、秀才タイプの弱さが出たな。
     こいつ、パターンから外れたものの存在を認められないんだ。
    正しく手順を踏んでないものが力を持つことに納得ができていない。
    魔法の体系とか緻密に作っているんだろう。
     でもな、薬師寺はそんなこと何一つ考えてないからな。すべてにおいて
    思いつきだからな。もしかすると、本人の中では決まっているのかも
    しれんが、外から見ると、完全にデタラメだ。ある意味、天才タイプ。
     むしろ、テキトーなのに自分ができると信じることができる、そこがすごいのだ。
     勉強しない人間の生き方を舐めるなよ。あまり認めたくもないけど。

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