サトウ・ハチロー『それから物語―少女小説』 (1947年講談社)

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検索でいらした方がいたので追記.
国会図書館内でデジタル資料を閲覧できます.
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1652249
以前,国際子ども図書館で現物を閲覧できたが,現在は利用不可.
あと,マイクロフィルム資料もあるようです.
2012年9月25日追記.
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久しぶりの再読.初めて読んだのは小学生の頃で
『石崖から聞こえる聲』のあたりを面白がったけど
今回読んだら,それも面白いけど他もなかなか面白い.
あと,中扉?表紙を開いたところにあるタイトルが
それから物語 ――少女小説 となっていて
少女小説とついていたのは記憶になかった.
そして,ひもじさをふりきるようによく食ってる.

本家の跡取りに養子をという「おごそか伯母さん」に
一生懸命抵抗するという筋が時代かなと思ったり.
次郎も照子も駄目となると,太郎に嫁をとらせて
その最初の子供をなどと見合い写真をせっせと…….
たまたま,その中に,照子の級友で友達になった
大島とみ子の姉がいて,既に知り合いであって
将来的にはという雰囲気になっているけれども
その大島の娘(名前はでてこない)の父親が
第一子を養子にというのをとんでもないと怒り
おごそか伯母さんと大喧嘩をしたけれども
太郎とその娘はなかなかいい感じになっていきそう.

◇登場人物
父・母・太郎・照子・次郎 
おごそか伯母さん・伯父さん
太郎の友人で北海道から来た,デブ四郎こと七本四郎
南京豆のへそ,に似ているという,なんぺそおじさん
次郎の友達澤田くん
照子の級友で,家での様子をみて照子が声をかけて仲良くなる大島とみ子
性質の悪い悪餓鬼ラクダ(コブ二つから)

昭和二十二年八月十日印刷
昭和二十二年八月廿日発行

◇メモ
P.45 半ちんとばせよ …半ちん?
P.93 ねずみいらず  …いわゆる『蝿帳(はいちょう)?』
P.117 「リンゴはあきませんな。ぼくは昨夜から、二十六箇たべきした。
     …おそらく,「ま」を拾うところ「き」を拾った活字拾い間違いだろう.
P.118 「ここの家は、戸だな、つまり押入が二つある。あんたは右の方の
    押入にねなさい。わしは左を使う。」
P.122 その茶わんの小さいこと、さかずきと一つちがいの姉さんくらいの
    大きさしかない。おまけに、なにげなく、のぞいたら、その小さい茶わんの
    底の方に、お茶が、ぽっちりしかはいっていないのだ。
P.132 「お晝は、おたべにかえってきます。」
P.133 といってでかけた。おたべは、ぼくよりもみなさんの方が、よく知ってますね。
    おべんとうをもっていかずに、家へかえってお晝をたべて、また学校へ
    いくことだ。それが、つまっておたべということばができているのだ。
P.134 いそいで、ごはんを二はいかっこむと、「いってまいります。」と
    またとびだした。
P.138 照子は、そのなわを手にとってみた。一本の長い長いなわだ。三十センチ
    おきぐらいに、大きなむすびたんこぶが、こしらえてある。
    「はしごなんだわ、はしごなんだわ。」
    照子は、ちょっと感心した。たんこぶを足がかりにして、おりたりのぼったりする
    一本式のなわばしごなのだ。足の親指と次の指のまたへなわを
    はさむようにして、のぼりおりするはしごなのだ。
P.150 「いいえ、前つぼをすげる皮は、いつも持っておりますから。」
P.158 ―― 夕立やかまどへかかるなめし炊けぬ
    ―― そうめんのたべたくなりぬ夏の雨
    ―― 初秋ややきぐりのにおい目にしみぬ
    ―― すき腹に鳴くなこおろぎきりぎりす
    ―― 松虫のえさのきゅうりをたべるかな
    ―― 秋まつり、カルメやきがなくつまらない
    ―― 秋まつり今年はうすいみそおでん
    ―― 氷水まだのみたりぬ残暑かな
    ―― しその實や茶づけを思いさびしみぬ
    ―― 秋晴れやわれは大めしくう男
    ―― イースト菌妹ににてふくれけり

コメント

nophoto
RoMie
2014年4月14日10:19

That’s the thiiknng of a creative mind

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Critofer
2014年4月16日2:27

I’m quite pleased with the intromafion in this one. TY!

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